転職するときにもらえる失業保険の基本手当。基本手当は「失業手当」とも呼ばれ、正しく理解しておかないと損する結果にもなりかねません。ここでは、失業手当のもらえるまでの期間や受給日数を解説。受給時に気をつけたい注意点も含めて今一度おさらいしましょう。
失業手当の手続き
失業手当は、退職したすべての人がもらえるわけではありません。自己都合退職なら離職日前の2年間に通算12カ月以上の被保険者期間があること、自己都合退職であっても自身の疾病や家族の介護などで退職した特定理由離職者の場合には、離職日前の1年間に通算6カ月以上の被保険者期間があることが条件です。退職勧奨や定年退職、倒産など会社の都合で退職した特定受給資格者の場合も、離職日前の1年間に通算6カ月以上の被保険者期間が必要とされます。また、受給にあたってはハローワークで求職の申込みを行い、就職への積極的な意思がありいつでも就職できる能力があるにもかかわらず、本人やハローワークの努力によっても、職業に就くことができない「失業の状態」にあることも条件とされます。
受給条件を満たしていることが確認できたら、ハローワークでの手続きが必要です。手続きには時間がかかることも多いため、時間に余裕を持って行くようにしましょう。失業手当の受給のために、ハローワークでは3種類の手続きを行います。
- 求職申込み
- 離職票等必要書類の提出
- 雇用保険受給者初回説明会の日時決定
まず、求職申込みは、再就職する意思を示すものです。
離職票の提出は、ハローワークが離職理由を確認するために使われます。離職票に記載された離職理由に異議がある場合はハローワークに相談しましょう。事実関係を調査のうえ、客観的な判定を依頼できます。
その後、自分の参加する雇用保険受給者初回説明会の日時を決定します。雇用保険受給者初回説明会では、失業手当の受給に関する重要事項の説明を受け、雇用保険受給資格者証と失業認定申告書を受け取ります。
ここから求職活動を行い就職することができなかった場合、失業の認定日に受給要件を満たしていれば失業手当が支給されることになります。
失業手当の受給日数・給付額
失業手当の受給日数や給付額は、離職理由や離職時の年齢、被保険者期間によって変わってきます。特定受給資格者に該当しない一般の離職者の所定給付日数は、以下のとおりです。
失業手当の待期期間・給付制限とは
求職申し込み後もすぐにお金がもらえるわけではなく、失業の状態にある7日間は給付を受けることができません。これは「待期期間」と呼ばれるものです。離職理由によってはさらに2カ月(過去5年間に自己都合離職が2回以上ある場合は3カ月)の給付制限が発生するため、その期間に生活できるようある程度の貯蓄はしていたほうが良いでしょう。
収入がなくても、健康保険や国民年金などは免除の申請をしない限り支払いが発生します。転職活動をするにも、スーツを買ったり美容院に行ったりといろいろな支出が生じます。退職したあとのことまで考えて計画的に資金準備を進めないと、理想どおりの生活をすることは難しい可能性があるため、きちんと考えておく必要があるでしょう。
後悔しないための対策として、3~4カ月分の手取り給与を貯蓄しておくと良いでしょう。仮に毎月の手取りが25万円なら、75~100万円分を貯めておけば不安は軽減できます。キャリアアップを目指すのであれば、チャンスがあったらすぐに行動できるよう「転職やスキルアップに使えるお金」を貯める専用口座を開設し、積み立てておくのもおすすめです。「自分の未来は自分で切り開く」という考え方を大切に、前向きに行動しましょう。
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